宝石の中でもトップクラスの知名度を誇るものは何だと思いますか?
世の中には本当に様々な種類の宝石がありますので、全ての宝石を記憶している人などいないと言っても良いのではないでしょうか。そんな宝石の中でも、『宝石好き、宝石に興味がない』等全く関係なく、一度はその名前を聞いたことがあり、どのようなものかイメージできる宝石と言えば、ダイヤモンドとサファイアでしょう。この2つの宝石は、知名度も人気も非常に高く、どちらも『宝石の王様』と呼んでいいようなものでしょう。
そこで今回は、宝石界の人気ツートップ(筆者イメージ)のダイヤモンドとサファイアの特徴比較をしてみたいと思います。
ダイヤモンドとサファイアの鉱物的特徴の比較
それではまず、2つの宝石の鉱物的特徴から見ていきましょう。
カラーについて
宝石の違いとして真っ先に思い浮かぶのは『カラー』の違いについてですね。この2つの宝石のカラーは、
- ダイヤモンド:無色透明のイメージが強い。ただし本当は、無色透明~黒色までほぼ全てのカラーを持つ
- サファイア:青色のイメージが強い。ただし、コランダムの中で赤色以外の宝石質の物は全てサファイア
上記のように表現でき、本来皆さんが持っているだろう「ダイヤ=無色透明、サファイア=青色」というわけではありません。どちらの宝石にしても様々なカラーを持っていることが特徴で、サファイアは青色以外を「ファンシーカラーサファイア」、ダイヤモンドは「ファンシーカラーダイヤモンド」等と表現します。因みにコランダムの中でも『赤色』を持ったものは、皆さんご存知の『ルビー』に分類されます。
硬度について
宝石の硬度は『モース硬度』と呼ばれる1~10までの数値でその硬さが表されます。2つの宝石の硬度は
- ダイヤモンド:モース硬度 10
- サファイア:モース硬度 9
上記のようになっており、ダイヤモンドに関しては、鉱物の硬さを測定する基準で最も高い数値を示します。サファイアに関しても、『モース硬度 9』と、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持っており、宝石に傷をつけることが非常に難しいのです。
しかし、このモース硬度で勘違いしてはいけないのは「モース硬度が高ければ割れないという事ではない」という事です。モース硬度はあくまでも『硬さ』であり、「キズの付きにくさ」ぐらいに考えた方が良いです。宝石には『へき開性(ある方向に割れる性質)』という特徴もあり、ダイヤモンドはこのへき開が『4方向に完全』という性質を持っているため、衝撃にはそこまで強くなく、割れや欠けには注意が必要です。サファイアは『へき開性』を持っていないので、実は宝石としての耐久性が1番高いのはサファイアとルビーになるのです。
ダイヤモンドとサファイアのお手入れ方法
宝石を長く楽しむのであれば、その宝石に適したお手入れ方法を知っておかなければいけません。なぜかというと、宝石はそれぞれ特徴が異なり、「強い部分」と「弱い部分」がありますので、お手入れ方法も宝石によって変えなければいけないのです。
- 洗剤での洗浄:サファイア、ダイヤモンド共に問題ありません
- 超音波洗浄:サファイアは可能ですが、ダイヤモンドは基本不可です
サファイアとダイヤモンドのお手入れは上記のように、洗浄方法によっては可能と不可能に分かれるのです。もちろん、サファイアに関しても、何らかの原因で欠けや傷があるものに関しては超音波洗浄をしない方が良い場合もありますが、基本可能です。しかし、ダイヤモンドは上述のように、衝撃に強くないという性質がある為、見えない部分に傷がある場合など、超音波洗浄をしたときに完全に割れてしまう恐れがあるのです。
したがって、この2つに関わらず、宝石を所持する場合には、それぞれのお手入れ方法を購入店で聞いておくなどし、それに従ってお手入れをしてあげましょう。
保管方法について
ダイヤモンドとサファイアに関して、どちらも保管に関しては比較的楽な宝石です。熱や光などに対して強い性質を持っていますので、あまりに雑な扱いをしないというのであれば、そこまで気を使う必要はないでしょう。しかし、どちらも宝石の中でトップクラスに硬い宝石ですので、他の宝石と同じ場所で保管する場合は注意が必要です。基本的に宝石同士がぶつかった時には、モース硬度が低いものに傷が入ります。したがって、ダイヤモンドやサファイア以外の宝石を傷つけてしまう可能性があるのです。
ちなみに、貴金属部分に関しては、推奨の保管方法が異なるので、貴金属部分の特性も抑えて保管してください。
まとめ
今回は、宝石の中でもトップクラスの知名度と人気を誇るダイヤモンドとサファイアの特徴の違いについてご紹介してきました。本稿でもご紹介したように、どちらの宝石も非常に硬いという特徴がある為、キズに関してはそこまで気にする必要はないでしょう。しかし、ダイヤモンドは、へき開性と呼ばれる割れやすい性質がある為、使用中にどこかにぶつけてしまったりすると、意外と簡単に割れてしまうので注意が必要です。
どちらの宝石も、流行り廃りが少ない人気の宝石ですので、使用場面も多くなる事でしょう。したがって、自分へのご褒美や、記念日のプレゼントジュエリーにするには非常にオススメな宝石と言えますよ!