今回は、ガーネットの中でもピンク系やオレンジ、ブラウンなどといった暖色系の色合いで人気のマラヤガーネットについてご紹介します。ガーネットと言えばデマントイドガーネットが特に人気が高いのですが、実は様々なカラーバリエーションを持っているのです。その中でもこのマラヤガーネットは、パイロープとスペッサタイトを含む成分が混ざり合うこと美しい暖色系のカラーを発色しています。また、中にはカラーチェンジ効果を持つものがあるなど、いろいろな表情で私たちを楽しませてくれるとてもお勧めの宝石です。
そこで今回は、マラヤガーネットの特徴やお手入れ方法などをご紹介します。
マラヤガーネット
名前 | マラヤガーネット(別称:ウンバライト、マヘンゲガーネット) |
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英語名 | Malaya Garnet/malaia Garnet |
和名 | 柘榴石(ざくろいし)※複数のガーネットが混ざっているため正式な個別和名は無し |
カラー | レッドオレンジ、オレンジピンク、ライトオレンジピンク、ライトピンク、淡赤紫色、赤褐色、薄茶色、茶褐色、黄褐色 |
モース硬度 | 7-7.5 |
誕生石 | 1月(ガーネット全体) |
マラヤガーネットは、1960年代に発見された比較的新しい宝石となります。しかし、発見当初のマラヤガーネットは産出量の多かったスペッサタイトの一種だと思われていたため、現地のディーラーなどには見向きもされなかったという悲しい歴史を持っています。その後、成分の違いなどが分かってくるにつれ、その希少性や各成分が混ざることで発色する独特の色味が評価されるようになりました。ちなみに、マラヤガーネット『マラヤ』はスワヒリ語で「仲間外れ」などといった意味を持っており、これは当時は取るに足らない石として評価されていたことから名づけられたと言われています。
ケイ酸塩鉱物であるマラヤガーネットは、国際的宝石学の権威であるGIAでは、パイラルスパイト系列(赤色系のガーネット)に属するパイロープとスペッサタイトの成分が混ざり合うことで生まれる宝石と定義されています。なお、実際には、パイラルスパイト系列であるアルマンディンを含む石も多くあることがわかっています。
マラガガーネットのカラー
マラヤガーネットは、暖色系の色を持っており、レッド系からブラウン、オレンジに至るまで様々なカラーを見せてくれます。中にはトパーズの中でも特に希少で美しいと言われるインペリアルトパーズに似たカラーを持つものもあり、いろいろなカラーバリエーションで持つ人を楽しませてくれるのです。
なお、マラヤガーネットの中にはカラーチェンジ効果を持つものもありますが、変化の程度は薄いピンクが少し濃くなる、ブラン系が少し強くなるといった程度の物がほとんどです。稀に明確にカラーチェンジをするものもありますが、そういったものはマラヤガーネットととしてではなく、カラーチェンジガーネットとして市場に出るのがほとんどです。
マラヤガーネットのお手入れ方法
最後にマラヤガーネットのお手入れに関する注意点をご紹介します。マラヤガーネットも他の宝石と同様に、身に着けた後には柔らかい布で表面を拭くというのが通常のお手入れとなります。
ひどく汚れてしまった場合には、中性のキッチン用洗剤をぬるま湯で薄めた液を作り、その中で柔らかめの歯ブラシなどで優しくこすって洗いましょう。なお、汚れが落ちたら、洗剤を綺麗に流しましょう。最後に、しっかりと水分を取って、保管してください。
なお、このガーネットは、光や熱によって退色してしまう可能性があるため、直射日光が当たらない場所で保管しましょう。
まとめ
今回は、ガーネットの中でも優しい暖色系のカラーを持つマラヤガーネットについてご紹介しました。ガーネットと言えば「デマントイド!」という方が多いかもしれませんが、カラーバリエーションの多いガーネットはいろいろな種類を楽しんでいただきたい宝石の一つです。その中でもレッド系からブラウン系のマラヤガーネットは非常に優しい色合いでオススメです。
中にはカラーチェンジ効果を持っているものもありますので、ぜひ探してみてください。