日本の大学チームが発見。中央アジアで発掘された新種のトルマリン『丸山電気石』って?

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宝石が好きな人にとっては『電気石』という名前は聞いたことがあると思います。『電気石』という言葉を聞いたことがないという人でもトルマリンという宝石は知っているのではないでしょうか?今回はそんな『電気石』のご紹介なのですが、日本の研究チームが最近発見した新種の『電気石』についてご紹介したいと思います。

『電気石』と呼ばれるトルマリンって何?

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まずおさらいとして、トルマリンについて簡単にご紹介します。トルマリンは、10月の誕生石で、世界中の各地で採掘されている知名度の高い宝石です。組成はケイ酸塩鉱物グループに属しており、結晶を熱すると電気を帯びるため電気石(でんきせき)と呼ばれています。
トルマリンは、カラーバリエーションが非常に多彩で、そのカラーはなんと…100種類以上もあると言われています。発色の理由は含有される成分の違いで、赤や黄色、ブルーと様々な色を発現します。今回ご紹介するトルマリンも今までにはない組成で新種に認定されたということです。

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日本チームが発見した新種の『電気石』とは?

では、本題の新種の『電気石』についてご紹介します。この『電気石』は2014年に早稲田大学と東京工業大学のチームがカザフスタンで発見した新種の鉱石です。新たに発見された『電気石』の特徴はカリウムを多量に含有していることにあります。通常、『電気石』は、ナトリウムやカルシウムが含まれているものですが、カリウムが主成分として含まれる『電気石』は非常に珍しいそうです。また、もう一つの特徴は、ダイヤモンドが形成されるほどの超高圧下でも安定した電気石として存在できることだそうです。この特徴は世界初の発見だったそうです。
今回発見された新種の『電気石』は、研究チームを率いた丸山茂徳・東京工業大学地球生命研究所教授の名前にちなんで、『マルヤマアイト(maruyamaite)』、和名で『丸山電気石』と名付けられました。宝石は発見者の名前がついていることが意外と多いですよね!

電気石の新種の鉱石は最近続々と発見されているようです。『電気石』は元々色々なカラーも多いので、今後、新しく美しいカラー「電気石」が発見されるのは楽しみですよね!

電気石の新種は丸山電気石以外にも最近続々と発見されています。しかし丸山電気石の報告は今のところコクチェタフ超高圧変成帯からのみであり、今後どこかで見つかるのか、産出が限られるのならそれを制約している地質条件がどのようなものであるのか等、興味が持たれるところです。このように、電気石の研究は今まさに注目が集まっている鉱物学・岩石学の一分野であり、今後ますますの発展が期待されます。
引用:東京工業大学ニュース

まとめ

今回は、日本の研究チームが発見した新種の電気石『丸山電気石』をご紹介しました。
『電気石』は元々含有されている成分によって様々なカラーバリエーションを誇る宝石として有名です。更に今回の発見で今まは考えられていなかったダイヤモンドなどが形成される超高圧下でも『電気石』ができるということが分かりました。数多くの宝石があふれるこの時代ですが、まだまだ未発見の宝石があると思えるとどこか楽しみですよね。

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