近年、様々な場面で日本の伝統的な衣装『和装』が見直されています。成人式に振袖を着用する人が多いのは昔から変わりませんが、近年では卒業式の袴姿が小学生などのお子様にも着用されるようになり、それに伴って親がお子様に合わせて訪問着で卒業式に出席することも増加しているそうです。もちろん、七五三や関西特有の十三参りなどであれば親子で和装を身にまとい、お詣りをしたり記念写真を撮ったりするのも当たり前になっています。
それでは、こういった時のジュエリーの扱いはどうすれば良いのでしょう?人によっては「和装にはジュエリーは全てNG!」とおっしゃる人もいるように、基本的に付けてはいけないと考えている人も多いようです。しかし、普段からジュエリーを身に着けることが多い人からすれば、「和装だからとなぜジュエリーがNGなの?」と思うことも少なくないでしょう。そこで今回は、和装とジュエリーの関係についてご紹介したいと思います。
和装にも種類があると知っていますか?
まずは和装について簡単にご紹介しておきましょう。近年では何か特別な時にしか着用することが無くなってしまった着物。しかし一口に着物と言ってもそこには種類があるのです。したがって、和装とジュエリーとの関係を抑える時には、この着物の種類について考えておきべきです。着物の種類に関しては、大まかに分類して以下のような種類があります。
- 式典や社交界で着用される礼装・正装と呼ばれるもの。紋付袴や振袖・留袖など
- プライベートのオシャレとして着用する着物。訪問着など
着物は大まかな分類で上記の2種類に分けることができます。簡単に言うと、公式な式典やパーティーに着用する正装とプライベート時に着用するものの違いですね。現代のイメージであれば、どちらの場合もアクセサリーぐらいつけていいように思えますが、そもそも着物が主流の時代にはイヤリングや指輪等を着用する習慣がなかったため、「着物にアクセサリーはしない」というのが一般常識になっているのだと思います。
それでは、以下で、アクセサリーごとの着物との相性を考えていきましょう。現在では、特別な時に着用するのが『着物』ですので、アクセサリーもつけて着飾りたいと考える人は多いですよね。しかし、ファッションですので、周囲からどのようにみられるかは意識しておいた方が良いでしょう。
ピアス・イヤリング
ピアスやイヤリングに関しては、「基本的にはしない方が良い」と考えておきましょう。もちろん、してはいけないという明確な決まりなどはありませんが、年齢が高めの方では「してはいけない」と考えている方が多いです。
どうしてもピアスやイヤリングをしたい場合は、耳にぴったりとつくような小さなものにしておき、ゆらゆら揺れるような大きなものは避けた方が良いです。特に留袖などの礼装の場合は、基本NGと考えておきましょう。
指輪
指輪は目立たない平たいデザインの結婚指輪・婚約指輪程度なら問題ないと考えていいでしょう。
ただし、立て爪の指輪や石自体が非常に大きくゴテゴテしたデザインの物はNGと考えておきましょう。
ネックレス
ネックレスもオシャレの一部として着用したいと考える人は多いですね。しかし、着物を着用する場合には、首回りを着飾るアクセサリーは身につけないのが普通と言えます。
着物は、半衿や伊達衿で胸元を飾るというものですので、そこにネックレスで着飾ると逆に違和感が出てしまうものなのです。
腕時計
和装の場合には、腕時計も外しておく方が良いと言えるでしょう。なぜかというと、腕時計が無い方が手首が綺麗に見えるからです。
そもそも、正装として着物を着用する場合には、式典やパーティーに行くのが目的と上述しましたね。通常、こういったパーティーの場合は時間をいちいち気にするものではないという雰囲気もありますし、腕時計などは外す方が良いでしょう。
訪問着や付け下げなど、プライベートで着用する着物の場合、あまり目立たない細くてエレガントなデザインの腕時計なら、着用しても問題はないと思います。
因みにブレスレットに関しても、着用していない方が手首が綺麗に見える為、ない方が良いと言われます。
まとめ
今回は、近年着用する場面も増加してきた『和装』とアクセサリーの関係性についてご紹介してきました。ほとんどの方が、普段は洋装で過ごすことが当たり前になっている日本では、和装の時にはどのようなアクセサリーをつけても良いのか迷うという人は多いみたいです。
上述したように、そもそも和装が当たり前だった時代には、現在のようにアクセサリーを付ける習慣自体が無かったため、基本的には何もつけないというのが正解なのかもしれません。しかし、ファッションというものは個性を表現するものですので、伝統を著しく壊してしまうといった場合以外には、そこまで気にしなくても良いのではないかと筆者は考えています。
あくまでも、自分で見た時に可愛い・綺麗と思える姿であれば、周囲は気にせずにつけてみるのもいいかもしれませんね!ただし、高齢の方には「着物にアクセサリーなんて…」と理解されない可能性も高いので、どういった場所に行くのかも考えてアクセサリーの種類を選ぶのが良いでしょう!