ジュエリーショップなどで宝石を見ているときに、ふと「~アイト」っていう名前がついているものが多いな…なんて思ったことはありませんか?
実は、『アイト』は『ite』という綴りになり、「石」という意味でそのまんまな感じなんです。宝石に限らず化石や隕石にも『ite』の語尾は使われています。
宝石の名前を付けるとき、有名な人名や、発見者の人名、採掘された地名に、石を意味する『ite』を接続語としてつけたそうで、今回は数多くある「ite」がついている宝石をご紹介いたします。
『ite』がついている石いろいろ
アイオライト 【英語:Iolite】
アイオライトは、「すみれ色」が特徴的で見た目がサファイアに似ていることもあり、別名としてウォーターサファイアと呼ばれることもあります。アイオライトの名前の由来は、ギリシャ語の「ion(すみれ色)」と「ithos(石)」の組み合わせが語源となっているそうです。
アウイナイト 【英語:hauynite】
アウイナイトはラピスラズリの組成物の一つで、きれいな青色の宝石です。アウイナイトの名前の由来は、ドイツの鉱物学者『R.J.Hauy』アウイン氏が発見したため、発見者の名前に「ite」つけアウナイトと呼ばれるようになりました。正式名称は「アウィナイト」だそうです。
プリーナイト 【英語:Prehnite】
プリーナイトは和名が表す様にマスカットカラーが多い宝石です。中にはイエローの物あります。またカラーだけでなく、原石の結晶も葡萄の房のような形をしているそうです。 宝石名の由来は、南アフリカ喜望峰の発見者「Prehnプリー)大佐」が発見したためこの名前がつきました。
クンツァイト 【英語:Kunzite】
クンツァイトの由来は、ティファニーの副社長でもあった宝石学者のジョージ・フレデリック・クンツにちなんで名づけられました。このクンツァイトと言う名前は、透明感のある薄いピンク・薄い紫色のリシア輝石の宝石質のものに使用されるそうです。
ツァボライト(グリーンガーネット) 【英語:Tsavorite】
ツァボライトは正式名称グリーンガーネットです。ツァボライトの由来は、アフリカ・ケニアの世界最大級の自然公園であるツァボ国立公園で発見されたことからこの名前が付いたそうです。産出量は非常に少なく、ガーネットの中でも高い人気を誇っています。
ジェレメジェバイト 【英語:Jeremejevite】
英語の発音では「ジェレメエィバイト」と読むのですが日本では「ジェレメジェバイト」と呼ぶことが多いです。他にエレミヤ石やイェレメイェフ石と呼ばれることもあります。呼び名が多く混乱しますが、名前の由来がロシアの鉱物学者「P. V. Jeremejev」に因んでいることからロシア語の発音が関係しています。
アンダリュサイト(アンダルサイト)
名前の由来は、アンダルシアで発見されたため「アンダルサイト」と呼ばれるようになり、流通時も「アンダルサイト」が主流です。しかし正式名称は「アンダリュサイト」です。この違いは、英語名のカナ表記時にある程度の自由度があるためであると考えられます。
まとめ
上に紹介した宝石以外にも、まだまだ『●●アイト、●●イト』の名前をもつ宝石はたくさんあります。ご紹介した通りほとんどの場合、発見者の名前や産出された地名などに「石」とつけただけで、思いのほか単純なんですね。
数多くある【ite】を持つ宝石ひとつひとつその意味を知っていくと奥の深い宝石への理解も深まると思いませんか?