皆さんはシンハライトという宝石を聞いたことがありますか?最近では競馬の競走馬の名前にも使われていたので『馬の名前かな?』と思う方も多いかもしれませんね。しかしシンハライトという宝石は20世紀に発見された3大宝石の一つにも数えられるほど美しい宝石でまだまだ新しく知名度は低いですが是非チェックしておきたい宝石の一つです。
そこで今回はそんなシンハライトについてご紹介したいと思います。
『シンハライト』ってどんな宝石
宝石名 | シンハライト |
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和名 | シンハラ石 |
カラー | 黄褐色、暗褐色、帯緑褐色、帯褐ピンク色等 |
モース硬度 | 6.5 |
比重 | 3.47~3.49 |
屈折率 | 1.667~1.712 |
主な産地 | スリランカ、タンザニア(ピンク系)、ミャンマー(極めて僅か) |
シンハライトはスリランカで産出する宝石で、長い間『褐色のペリドット』と思われてきました。しかし1951年、詳細に分析するためほぼ現代の水準でX線分析などを行ったところペリドットには必ず含まれているはずの珪酸分が全く含まれていないことがわかりました。この宝石は硼酸とアルミニウムとマグネシウムで構成される全く新しい鉱物ということが分かったのですね。
シンハライトは長い間褐色のペリドットと思われていたと言ことからもわかる通り、鉱物的な特性や特徴は非常にペリドットに似通ったものです。また、シンハライトのカラーは主に褐色を帯びた黄色~緑色をした色合いの物が正統の物と取り扱いされます。タンザニアではピンク系の色合いをしたシンハライトも産出されますが、こういったピンク系のシンハライトは正統派とは違った扱いを受けます。
スリランカの石とも言われる『シンハライト』
『シンハライト』という宝石名は産地であるスリランカから由来しており『スリランカの石』とも呼ばれます。スリランカという国名の旧称『セイロン』はサンスクリット語で「シンハラ」と言いそれが宝石名の由来となっています。この宝石名の由来が上で紹介した宝石のカラーの正統性にも影響しており、タンザニアで産出されるピンク系統のシンハライトは鉱物的にも宝石的にもスリランカ産のものと同様なのですが、シンハライトのアイデンティティともなっているスリランカの国名に由来したタイプとは違うため別な扱いとなっています。
まとめ
今回は20世紀に発見された3大宝石の一つシンハライトについてご紹介しました。20世紀に発見された3大宝石はシンハライト以外にタンザナイトやブラジリアナイトがあり、タンザナイトが圧倒的に知名度が高いのが現状です。シンハライトは3大宝石の中でも現状では最も知名度が低い宝石で、基本的に希少宝石としてコレクターなどに愛されているといった扱いです。
因みにシンハライトのような褐色を帯びた宝石は、見た目だけでは何の宝石か判断できない部分があるため、できれば鑑別所などが付属されているのかはきちんと確認するようにしましょう。