今回はジャパニーズダイヤモンドと呼ばれた『ダンビュライト』という宝石についてご紹介したいと思います。ダンビュライトと聞けば、競走馬の名前をイメージする人も多いかもしれませんが、れっきとした宝石で、ダイヤモンドの代用品に利用されるほど美しい宝石なのです。近年では、宝石が一般化していますので、様々な場面で宝石名が使用されることも多く、本来の宝石のイメージが思い浮かばないものも多くあります。
そこで今回は、ダンビュライトの特徴についてご紹介していきたいと思います。
ダンビュライトとは?
宝石名/英名 | ダンビュライト/Danburite |
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和名 | ダンブリ石 |
カラー | 無色透明、淡いピンク、黄色、紫 等 |
モース硬度 | 7-7.5 |
屈折率 | 1.630 – 1.636 |
比重 | 2.97~3.03 |
主な産地 | アメリカ、メキシコ、ボリビア 等 |
ダンビュライトは、冒頭でもご紹介した通り非常に美しい輝きと、その透明度でダイヤモンドの代用品としても利用されていた宝石です。無色透明の宝石には水晶やトパーズなども存在しますが、それらの物より透明感が高く、分散率も大きいことからダイヤモンドに似た輝きを放っているからでしょう。
しかし、このダンビュライトは、カルシウム、ホウ素の珪酸塩鉱物となりますので、本来は宝石質になるような結晶などほとんどなく、クリアでファセットカットを施されるようなルースは非常に希少なのです。ちなみに、ダイヤモンドの代用品になる物は無色透明の物だけですが、ダンビュライトにもカラーバリエーションがあり淡いピンクや黄色味を帯びた物、紫の物などの物が存在します。
ダンビュライトがジャバニーズダイヤと呼ばれた理由
ダンビュライトが初めて発見されたのは、アメリカコネチカット州の『Danbury』という地名の場所です。そして、宝石の命名方法としてありがちな、地名の『Danbury』が由来でダンビュライトと名付けられたのです。現在では、アメリカやメキシコ、ボリビアなどで産出することが有名ですが、実はこのダンビュライトは日本でも産出していたのです。それは、明治時代の頃で、九州地方において非常に質の良いダンビュライトが産出され、高い表面光沢と強い光の反射がある宝石のため『ジャパニーズダイヤモンド』と呼ばれていたのです。
まとめ
今回は、ジャパニーズダイヤモンドとも呼ばれるダンビュライトについてご紹介してきました。ダンビュライトはダイヤモンドの代用品として利用されるほどの石ですので、その輝きや透明度は非常に美しいものを持っています。モース硬度から考えても十分宝石としての硬度を持っていますので、普段使いのアクセサリーとしては非常にお勧めの宝石と言えるのではないでしょうか!