ダイヤモンドより強い輝きを持つと言われるスフェーンの特徴とは?

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輝きの強い宝石と言えばほとんどの方がダイヤモンドをイメージするのではないでしょうか?しかし、実はダイヤモンドよりも強力なファイアを放つ宝石があり、太陽のような輝きを放つことから近年非常に高い人気を誇っています。
一般的にはまだまだ知名度が高いとは言えないかもしれませんが、コレクターの間でその強力なファイアで人気なのがスフェーンです。そこで今回は、まだまだ詳細まで知られていないスフェーンの魅力についてご紹介したいと思います。

スフェーンの特徴

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名前 スフェーン/チタナイト
和名 チタン石またはくさび石
黄系、緑系、褐色、茶系、オレンジ系
モース硬度 5-5.5
光沢 ダイヤモンド光沢、樹脂光沢
化学成分 CaTiSiO5
主な産地 パキスタン、イタリア、ロシア、中国、スイス、ブラジル、マダガスカル、オーストリア、カナダ、アメリカ

スフェーンとはチタンを含むケイ酸塩鉱物の一種で、別名ではチタナイトとも呼ばれています。スフェーンという名称の語源はギリシャ語の「sphenos(くさび)」という言葉が由来と言われており、和名ではチタン石やくさび石と言われています。これは、原石の結晶が、三角のくさび形をしていることからこの名称がついたと言われています。名称に関する豆知識をもう一つご紹介すると、実は国際鉱物協会が1982年にこの宝石の名称を『チタナイト』に統一すると発表したのですが、それまで使われていた『スフェーン』という名称が慣れ親しまれていたため、現在でもジュエリーショップなどではスフェーンが使われています。
スフェーンは黄金の輝きを持つなどと呼ばれるのですが、意外とカラーバリエーションは多く赤茶色、グレー、黄色、緑、赤などのカラーがあります。こういった色合いの違いは、宝石内に含む鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、セリウム、イットリウムなどの微量な不純物の違いによるものです。スフェーンの人気の高さは、ダイヤモンドよりも強力なファイアを放つことによるもので、ダイヤモンドの分散率0.044をしのぐ分散率0.051をもっており、肉眼ではとてもきらびやかに輝く美しい宝石です。

スフェーンの価値

上述したように、一般的にはスフェーンと呼ばれる宝石は、正式にはチタナイトという名称を持っています。これは、宝石にチタンを含有することからついた名称で、本来はチタンを含むことで黒味を帯びた原石が非常に多いのです。ここに、わずかな鉄分が含有されることで、美しい緑や黄色を持ったスフェーンが生まれるのです。ちなみに、含有される鉄分が多すぎた場合、茶色や黒などの色味が強く出てしまいます。
こういった特徴があるため、最近スフェーンの人気が高くなっているとはいえ、ジェムクオリティといえるスフェーンは非常に珍しい物だと言えるのです。さらにスフェーンはモース硬度が『5』と非常にもろい部類の宝石となるため、加工も難しいという特徴を持っています。
産出量が少ない、カットが難しいという特徴を持っているスフェーンは、非常に希少価値が高い宝石と言えます。

まとめ

今回は、黄金色の輝きとダイヤモンド以上のファイアを放つと人気のスフェーンについてご紹介しました。一般の方の間でも徐々に人気が高くなっているのですが、コレクターの間ではすでに非常に高い人気を誇っています。ただし、スフェーンをあしらったジュエリーを購入する場合には、モース硬度が低く意外ともろい宝石だということを忘れないようにしましょう。普段使いしている時に、何かにぶつけてしまう…なんてことがあった場合には、簡単に割れてしまう恐れがありますので、注意して使用するのがオススメです。また、保管に際しても、他の硬度の高い宝石と擦れてしまうと、傷が入るので、きちんと分けて保管してください。

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