皆さんは『宝石』と聞けばどのような宝石を思い浮かべますか?
宝石と言えば無色透明のダイヤモンドが真っ先に思い浮かぶという方が多いものですが、美しい赤色のルビーや、深いブルーのサファイヤ、目の覚めるようなグリーンのエメラルドなど、非常に豊富なカラーが楽しめるのも大きな特徴ですね。特に近年では、様々なカラーを持つカラーストーンの人気が非常に高くなっており、海外のオークションなどでも考えられないような価格が付き、ニュースになることもたびたびあります。
では、そんなカラーストーンの価値を決める評価って何が基準になっていると思いますか?今回は、いろいろなカラーストーンについて、一般的な評価の基準をご紹介してみたいと思います。
深く美しい赤色が特徴のルビー
赤色の宝石の代表と言えばルビーですね。ルビーは酸化アルミニウムの結晶であるコランダムという鉱物に属しており、非常に知名度の高い宝石として皆様も一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
このルビーは、モース硬度が『9』とダイヤモンドに次ぐ硬さを持っており、昔から非常に人気の高い宝石です。ルビーの特徴でもある赤色は、結晶中に含まれる2%にも満たない酸化クロムにより発色しています。なお、ルビーの語源はラテン語で赤色を表す『Ruber』からとられており、正に「名は体を表す」のことわざ通りですね。ルビーの一般的な評価基準は以下のようなものです。
- 色合い
色石のカラーを見るときは外の反射と中からの反射の2色見るようにしましょう。中から光っている色を感じることが非常に重要で、ルビーの場合は評価が高い順に「赤/赤⇒赤/クロ⇒赤/ピンク」のように赤を強く発色しているものほど評価が高いです。因みにピンクが強いものに関してはピンクサファイアとみられることがあります。 - テリや傷
全てのカラーストーンに共通しますが、表面上の傷やテリも評価基準になります。傷があればもちろんマイナスポイントですが、テリ(輝き)がないものは宝石ではないという評価にもなるということですね。 - 内包物の状態(クラリティ・透明度)
内包物の少ない透明度の高いものほどやはり評価は高くなります。
基本的に上記のようなポイントが評価記事順になります。ただし、スタールビーなど特殊なルビーに関してはスターの形状などが評価基準となります。
ブルーの宝石の代表サファイア
サファイアは、矢車草の花の色である「コーンフラワーブルー」とたとえられるほどで、ブルーの宝石の代表と言ってもいい宝石ですね。多くの方がサファイアって何色と聞かれると『青!』と答えるでしょう。しかしファンシーカラーサファイアと言われるように実際にはピンクやグリーン、オレンジなど様々なカラーのサファイアが存在しています。
このサファイアという宝石は、ルビーと同じコランダムという鉱物に属しており、結晶内に含まれる鉄やニッケル、チタン、酸化クロム等の配合によって上記のような様々なカラーを発色するのです。もちろんルビーと同じコランダムですので、モース硬度は9で非常に高い硬度を誇ります。それではサファイアの評価基準はと言えば…
これは基本的にルビーと同じような評価基準となります。つまり色合いの良さや、内包物や透明度の高さ、表面の傷やテリといった具合です。
多色性を持つタンザナイト
『タンザニアの石』を意味するタンザナイトは、正式にはゾイサイトという名の鉱物です。このタンザナイトは、見た目的にはサファイアによく似たブルーが特徴の宝石なのですが、見る角度によって青色や紫色が強くなる多色性を持つ宝石としても有名です。また、自然光の下では透明感を持った群青色なのですが、ライトや白熱灯の下では紫、蛍光灯の下では青色に輝くという特徴があるため、サファイアとの見分けは比較的楽です。
タンザナイトの評価基準としては、昔と今とでは変わっているという特徴があります。元々はサファイアによく似ているという点から、多色性が少なく、青味が強いものが高評価を受けていましたが、最近では、ハッキリとした多色性を示すものほど高い評価を受けるようになっています。他には内包物の少なさや、色の濃さを重視するといいでしょう。
まとめ
今回は、近年人気のカラーストーンについて、それぞれの宝石の評価基準はどういった部分にあるのかということにつてご紹介してまいりました。基本的に宝石というものは、発色の良さや内包物の少なさ、傷のなさなどにより評価されるのはどれも同じでしょう。しかし、宝石の色合いについては、いくら高評価になるような石だとしても自分の好みを無視するのはよくないかもしれませんね。世間一般の評価基準はいろいろとある小野ですが、最も重要なのは自分が美しいと思う宝石を選択することだと思いますよう!